先日のココ・シャネル名言で、ココが「膝は絶対見せてはいけない」という
発言をしていました。
ところが、現在のシャネルのプレタポルテコレクションでは、
ミニスカートが猛威を振るっています。
ココ亡き後の大ブランド、シャネル。
カール・ラガーフェルドがシャネルでミニスカートを解禁するまでの物語です。
(画像引用:シャネル公式サイトより、
「カール・ラガーフェルドが想像するココ・シャネルとの出会い)
ココは、ひざ上のスカートについて一貫して否定していました。
「膝は関節よ。醜いわ」
ココが世に送り出したシャネルスーツは、どれもひざ下丈です。
晩年のインタビューにも、ミニスカートについてこんな発言をしています。
「大嫌い。慎みがなくて醜いわ。どうして女性が着るのかわからない。
挑発的で愚かさの極みというものでしょう」
ココの定番となったひざ下丈のスカートは、「シャネルレングス」とも呼ばれました。
ですが、ココの死後急速にシャネルの力は低下していきます。
ココ・シャネルという、もはや伝説的な人物がいなくなったこと、
女性の生き方を変えた、シャネルの看板がいなくなったことで、
シャネルというブランドの価値が低迷します。
その後を引き継ぎ、シャネルを再建したカール・ラガーフェルドですが、
ミニスカートに対する考え方もココとは正反対です。
いくつか、カールの言葉を拾ってみます。
「シャネルはミニスカートを断固拒否したが、
あの頃の女たちの膝は見せられるものではなかったからだ。
今日の若い女たちは充分に美しい膝を持っている。
第一、1910年代、20年代にシャネルがした服の提案は、今日のミニスカートみたいなものだった」
「現在は、もはやココ・シャネルの時代ではない。
ファッションも美しさの基準も完全に変わってしまった」
そうして、カール・ラガーフェルドはシャネルのコレクションでミニスカートを
解禁します。
すっかり「マダムたちのブランド」となっていたシャネルを、
若い女性にも開放したのです。
それはまさに、ココ・シャネルがファッション界にもたらした功績そのものでした。
そして、「ファッションは時代に柔軟に適応すべき」という、
ココの気持ちを代弁しているものでした。
実は、ココとカールは面識がありません。
それが、カール・ラガーフェルドにとって「シャネル」という大ブランドから
自由な環境だったとも言えるのです。
冒頭のスケッチは、カールが「もしココと私が対面していたら」という
場面を想起して描いたものです。
とても夢のある共演だとは思いませんか。